昨年頂いた灯油窯の初窯の様子です。
地元利府町の名産である梨の木の灰を使って透明釉を作り、粉引きを焼いてみました。
梨の灰は、一昨年、剪定の時期に伊藤梨園でいただいたのもです。
梨の薪は一年間乾燥させた後、薪ストーブの燃料にして、その残りの灰を長い時間かけてあく抜きして精製します。
初窯は昨日の朝に釉掛け、窯に詰めして10時頃よりスタート。
久しぶりに扱う灯油窯だったので、途中、温度計やゼーゼルコーンを入れ忘れたりとドタバタしましたが、なんとか着火までこぎつけ、約11時間で酸化焼成しました。
普段は電気窯なので窯の調整はあまりないのですが、小さいながらも灯油窯、ちょこちょこと温度を見ながら、予定した焼成曲線に沿うように油量や風量を微調整していきます。
21時に1250度に到達。色味穴からゼーゲルコーンを見ながらタイミングを見計らい消化。
窯の周りを掃除して終了しました。
本日、朝8時に温度を見てみると123度!?
いつもの電気窯なら、まだ400度以上あって窯出しは無理ですが、この窯はもう窯出しできる温度です。
早速、窯出ししてみると梨釉は、電気窯だと少しマット調になるのですが、灯油窯では、熱量や急冷の関係か釉薬がしっかり融けました。
これはこれで、なかなか良い雰囲気です。
窯出しを一段、二段としていくと、ん!?
作品同士がくっついています…。
初窯で焼き上がりが分からなかったので、全て目立てして(釉薬が流下して作品と棚板がくっつくのを防止するため)窯詰めしたのですが、それが仇となり、焼成中に作品が傾きくっついてしまったようです。
展示会に出そうと思っていたのですが、数が減ってしまいました…。
全て窯出しして、段ごとに並べてみると、同じ作品が下の段では茶系で上段では緑系と随分温度差と雰囲気の違いがあることがわかりました。
次回の窯では、まずは温度差の解消にトライしてみようと思います。
小さな灯油窯、約24時間で結果が出るスピーディーさが気に入りました。
温度差や、雰囲気のムラ、少量しか焼けないなどマイナス面もありますが、この窯の特徴を生かして、今までとは少し違う作風にチャレンジしていきたいとおもいます。
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